第10話 小説を書くのって、すごく難しい事なんじゃないか?
あらかじめ断っておきますが、「そんな難しい事をやっている私達ってすごいんだよ! だから頑張ろう!」という主旨ではございませんので、そういうのが読みたい方はよそへどうぞ。
側から見たらゲームしたりアマプラで映画見たりと遊び呆けているようにしか見えないでしょうが、実際遊んでいるのでしょうがない。
私は常々「小説って弱いよなあ」と思っていました。何と比べて? 絵画やイラスト、映画と比較して、です。一説によると普通の人間が受け取る情報のうち八割は視覚によるものだとか。小説は文章を読んで、頭の中でそれを再構築しなければ理解出来ないものです。それに引き換え、絵や動画はどうでしょう。視覚的訴求力が段違いです。作者の言いたい事、表現したい事がすぐに分かります。
具体例を挙げてみましょう。黒沢清監督の『CURE』が好例ですね。終盤の展開は明確な説明がなく、畳み掛けるようなシーンの切り替えだけでも主人公がどうなったかを表現出来ています。説明しなくともオブジェクト(役者や場面)を見せるだけでストーリーが作れるのです。
小説でこれをやるのは難しい。読者の脳内できちんとイメージが構築されないと「意味が分からない」で終わってしまいます。イメージしやすくする為には言葉を増やさねばならず、しかしあまりにだらだら説明してしまうと締まりのないものになってしまいます。余分な言葉を最大限削ぎ落としつつもしっかり描写出来る作家は筒井康隆や星新一といった超人レベルの文豪くらいしか知りません。そして私は超人などではなく、故に表題の結論に到達したのです。
しかし、私は書く事を諦めた訳ではありません。野心とか向上心とかそんな大したものではなく、単純に書きたいものがまだあるからです。どうせ売れないなら好きなように書けばいいや。今はリアルの都合でアウトプットするだけの時間と気力が取れませんが、RFAでも「大事なのは続ける事よりも、やめない事です」と言っていましたし、いずれもう少し余裕が出来た時の為に構想と練り込みを続けていこうと思います。
ま、発表するかは分かりませんけど。
では、生きてたらまた会いましょう。
なぜ語るのか 鼓ブリキ @blechmitmilch
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