第3話 苦いピーマンは食べられる?

「その後、好介はモジモジしながら『……ごめん……』って謝ったのよね~!」

「そんな昔話は、やめろよ!」

「はーい。できましたよー」


 好子ちゃんが好介くんをからかっていると、ゆうちゃんが料理を運んできました。ゆうちゃんが料理を始める前、二人は手伝おうとしましたが「お客様なんだから座っていて。それと、お客さんのお相手も大切な仕事よ」と言われたので、ずっと待っていたのでした。


「わあっ、おいしそー! さすがね、ゆうちゃん!」

「オレの嫁の飯がうまいからって、食べ過ぎて太るなよ!」

「あんたは奥さんと違って、いつまでも子どもね……」

「イテテテッ!」

「ふふふ」


 好子ちゃんに顔をつねられている好介くんを見て、ゆうちゃんは笑いました。


「さあ、食べましょう」

「あっ、あんたが大嫌いなピーマンが入っているわね!」

「今は食べられるっつーの!」

「あらまあ好介、それは誰のおかげかしら~?」

「……ゆう」

「ありがとう、好介くん」

「だから何でオレが言う前に、言っちゃうんだよ……」

「ああ、ごめんね」

「いや、謝るなって……ありがと」

「あははっ、あんた少しは素直になったね」

「そりゃどーも」


 ゆうちゃんが席に着き、三人は手をパンッと合わせました。


「いただきます!」

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本当の大人 卯野ましろ @unm46

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