地方予選大会編

プロローグ

 真犯人オンライン全国大会。

 ランクシステムにより順位付けられた国内上位100名の他、各地区ブロックの予選大会を勝ち抜いた上位2組にのみ参加資格が与えられる。


 真犯人オンライン地方予選大会関東ブロック。

 それが今から僕らが挑む大会の名称だ。

 そして、眼前にそびえるこの大きなドームこそ、今回の大会会場であった。


「いよいよだな。俺は興奮が止まらねえよ」


 黒の学ランに額に巻かれた白いハチマキ。天を衝くかのように逆立った真っ赤な髪。

 僕の隣で大会会場を見上げるのは僕の共犯者バディ炎道えんどう無二むにだ。

 

 エンドウとは僕が以前参加したショップ大会で対戦した仲だ。

 僕の実力を認めたエンドウから共犯バディに誘われ、この真犯人オンラインの全国大会に出場を決意した。

 僕の目的は一つ、真犯人オンラインの大会を勝ち進み “井原秀作” と対戦すること。


「僕も感情が高ぶるのは同じだ。だが、エンドウ。秀作さんが全国大会本戦にプレイヤーとして出場するという話は本当なんだろうな?」


「ああ。探偵が言うことに間違いはねえ! 今回は真犯人オンラインの発売から10年目となる記念大会だ。そのゲストとして歴代最多優勝者である井原秀作さんの招待が決定したんだとよ」


 エンドウの父は僕も連載の際にお世話になった出版社の社長である。情報のソース元はエンドウの父親だということだ。確度は高いだろう。


「夢にまで見た秀作さんとの対戦。それがまさかこんなにも早く叶えるチャンスが巡ってくるとはな。それこそ夢のようだ」


「ああ。それを夢で終わらせないためにも、勝とうぜ。サイク!」


「ああ。もちろんだ」


 僕は会場へと一歩を踏み出す。

 いざ、決戦の舞台へ。

 僕とエンドウは逸る気持ちを抑え、会場へと踏み入った。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ご無沙汰しております。

作者の滝杉こげおです。


ようやく本日より第二章の連載再開となります。

本日はこのあとも20時に第一話、20時半に第二話を更新予定となっております。


応援よろしくお願いします。

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