第38話 称号授与

 とある神界。


 創造の神が言う。


「これは誤算だった。まさか俺が相手の力を見誤るとはな……」


 雷鳴の王が言う。


「完璧主義の若造がミスとは珍しいのぉ。ここにはいないが、炎の神も一度やられたと聞くが……」


 武の神が言う。


「少し我と気が合うと思うたが。流石にあれはやり過ぎだ……」


 時の神が言う。


「世界の記憶は僕が責任を持って巻き戻そう。それで、彼の処遇はどうする?」


 偽の神が言う。


「俺様の名を勝手に使う野郎がいるとはな。しかもこの惨状だ。許してはおけない」


 創造の神が答える。


「みんなの気持ちは良く分かるが、我々はあくまでも見守るのが使命だ。神が直接人を裁くことは、この程度であってはならない」


 雷鳴の王が頷く。


「如何にも。それが賢明な判断だ。して、此奴をどうするのだ?」


 創造の神が答える。


「この者の功績は世界の破壊。ただしこれらに類似する神はいない。

 破壊の神でさえもここまではしないだろう。神に該当しないのなら、王が妥当だろう」


 時の神が疑問を持つ。


「王だって? どこの世界でもこんな王がいてたまるか。考え直すんだカオス」


 創造の神が言う。


「案ずるな。王ではなく、偽の王だ。この者はこの世界にも、別の世界にも存在してはならない存在。

 所謂、異物だ」


 偽の神が言う。


「え……俺様、異物だったのか?」


 創造の神が呆れる。


「お前も作られた身だからな。だがお前はこの者ほど問題では無い。寧ろ均衡を保っている。安心しろ」


 こうして、最上には新たな称号が与えられた。偽の王と。

 そして時の神によって、世界の記憶は最上に気づかれることなく何事も無かったように戻される。


───────────────


 は……? 偽の王だと……? はぁああああ!? あれだけやって神に届かねえとはなんつーことだぁ!?

 ……? あれ、さっきの惨状はいずこへ?


 まぁいいや。とりあえず称号の効果を見させてもらおうじゃねぇか……。


偽の王:王であり王では無い存在。しかし、どんな王にでもなり得る可能性を持ち、自分の庭の建国が出来る。その権限を持つ。


 ?????。どういうことだ? なにか力を行使出来る物じゃあ、ねぇのか?

 国を建てられる権限を持つ。で、いいのか?


 ……いやぁ、俺は俺の能力で国を建てられるんだがな……。

 一度やってみるか……?


「えーっと、そうだな。国家創設フェイクキングダムッ!』


 ズゴゴゴゴゴゴゴ!! デデーン!!


 おぉ……。洋風の城じゃねぇか。まさかこれを俺が管理して、国を作れとか言うんじゃねえだろうなぁ?

 おいおい、こいつあタイトル変わっちまうぞ?


『完全無敵の男が行く自由建国記!』


 なんてな。んなことやるわけねぇだろうがぁ!! 俺はな、今までの今まで、イベントというイベントを潰して来たんだぞ!

 ここにきて強制イベントだぁ? しかもスキップ機能制限だと!?


 おい作者ぁ!! なんか変なもんでも食ったか!? 1年以上も更新を止めてよ。どうちしまったんだよおおお!


 俺は……、俺は……!

 ちょっくら休憩するか! イベント? まぁ、良いんじゃね? 時間に身を任せるのも一興ってやつだ。


偽の王国フェイクキングダム

国家態勢:無

人口:1人

追加項目有り。


『最上の自由建国記』開始?


 王国創立1日目。

 国民俺だけかよおおおおお! え? まさか周囲から人を呼び込むことから始めろなんて言わないよな?


 今まで周囲の人を吹っ飛ばしてきた俺が? 逆に誘い込むだと?

 いやいやいや。んなの一体どうしたらいいんだ……。

 待てよ……? 何故人である必要がある? 人造人間でも良くね? そうと決まれば有言実行!


 えーっと、魔力でこねこねっと。

魂の烙印ソウルリコード


 シュピイィン……。


 そうすると魔力となんかガラクタで組み立てられた人形が動き出す。


「ガチャガチ……ガガガ」


 いいねぇ〜! この方が圧倒的にコストが安くて済むわ。

 人間みてえな心も無いから、ストレス溜まらなくて良いわぁ……。

 という訳で……。


複製サーチクラフト!』


 とりあえず100増やすか。命令は……後回しで良いか。

 様子見だ。様子見。どこからともなく現れた王国の周囲の反応も見たいし。


 さぁさぁ、誰でも来るがいい! いくらでも歓迎してやるよ。

 変なやつが来たら消滅させれば良い話だ。いやぁ〜本当の国王ってこんな気分なのかな〜。

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完全無敵!やる気が無さすぎる勇者の自由冒険譚 Leiren Storathijs @LeirenStorathijs

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