第38話 移りゆく騒がしさ

 ランタンは常識をあまり知らない。

 放課後。

 家に戻ったユウが一般教養を教えていると、スズがやってきた。

「助かった」

「どうしたの?」

 一人で伝えるには限界がある。二人で教えることになった。

 そこへ、いつものようにダイマとネオンが訪ねてくる。

 もちろん、二人も協力を惜しまない。


 次の日の朝。

 スズとランタンと登校することが当たり前になってきている、ユウ。

 途中でダイマとネオンが合流するのもお決まりで、学校へ到着。

 もちろん、授業は真剣に受ける。

 休み時間になると、ユウの周りはいつも騒々しい。

「なんで、こうもうるさいんだ」

 ユウの愚痴に、スズが反応する。

「移りゆくさわがしさ」

「なんだよ、それ」

 思わず、ユウがふき出した。

 つられて、スズも笑う。

「なぜ、笑う?」

「アタシも混ぜてよー」

「じゃあ、おれも」

 ユウの周りは、今日もわいわいがやがやと、にぎやかだ。

「もうすこし落ち着ける、穏やかな世界に――」

「え?」

 右手を突き上げたユウが、すぐに下ろす。

「ならなくてもいいかな。やっぱり」

 この世界は、なぜかさわがしい。

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世界はなぜか騒がしい 多田七究 @tada79

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