第一〇九七回 そして、迎える七夕。


 ――七月七日。天の川にて織姫は、彦星と再会した。


 このお空よりも、もっと彼方で……


 果たして何回目の再会だろうか? 少なくとも、僕らよりも遥かに歳を重ねている。



 この二人は遠距離恋愛。ロマン溢れる内容。そのスケールは宇宙規模。同じく僕も、心に宇宙を持っている。それは鼓動という形で、またはリズムという形で。


 きっと誰もが持っている。


 同じお空の下、僕らは縁して出会っている。縁する人々と。思えば、七夕は、僕と梨花りかのスタートの日とも言える。二人の物語のスタート。何故ならば、同じ日だったから。


 とある小説サイトの『書くと読む』は、僕と梨花を繋いだものとなった。生き別れていた双子の姉妹が再会するキッカケと言っても過言ではないと。……本編は、梨花の作品とリンクしていた。本当のスタートは令和元年の七月六日だったの、二人一緒に。


 織姫と彦星のように、この日の出会いはなかったけれど、物語のスタートは同じ。


 同じ雨の日。梨花はお家への帰り道。僕はお家を飛び出して梅田への片道切符。二人とも理由は異なれ、涙していた。涙を……雨で隠していた。それも、二人同じに。


 二人がテーマとしていたことは。其々が異なる。


 梨花はお友達。僕は家族。そして物語は、この両方を兼ね備えた。


 今思えば、この物語は既に用意されていたことなのかもしれない。再会への準備だったように思えた。そして二人で物語を紡ぐことも、形はどうあれ、再会した……


 僕らの舞台は、まさに天の川。


 その向こうは、ネットの宇宙。至る所に縁は隠されていた。


 どんなに遠くても、大宇宙の何処かで、織姫と彦星は再会を待ち焦がれている。その思いを託すように、いつしか雨は止んで、お空に虹が掛かるの。上を見上げると、心はポジティブになるの。雨で曇ったお顔も、晴れ晴れとまたスタートが切れる。僕はそんな物語を、これからも綴ってゆきたいから、ウメチカは千百十一回越えても、まだ続いてゆく。



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