新・第十章 思えばもう、七夕近し。
第一〇九一回 ある土曜日の午後に。
――風の流れは心地よい。僕は歩んでいる、
思えば、もう六月も上旬。膨らんでいたお腹も戻って、また梨花と同じような体型。あとは髪を切るだけで、またも鏡のような精度をもって僕ら二人、ソックリになる……
月曜日からの学園への登校に備えるために。
「
「うん、夏向けに。梨花と同じ髪型」そう答えた。
夏向け……
もう大分と前になるね、梨花も同じように髪を伸ばしていた時期があって、丁度この時期に、せっかく伸ばしていた髪を切ったこと。その時に梨花が言っていた台詞と……
ほぼ同じだ。
でも、僕は本当に夏向け。もう結婚したのも同然だから。
今はまだ、僕の姓は
一年を切っている。
僕と、あの子たちの姓が、
そうなると、南條千佳という名前に変わる。そして
某国民的アニメの大家族のように、二世帯住宅になるから。なら、その主人公は僕、ということになる。そこから始まる大家族ならではの、ほのぼの路線が始まるこ
とに?
もしそうなっても、とある小説サイトの『書くと読む』で、エッセイを書き続けていると思う。ウメチカというペンネームをそのままに、新たなウメチカの物語が始まるの。
ともあれ、これから大変だけど、僕はポジティブ。ママ強しだから。
そして今、梨花と横並びの席で、スーッと櫛が、背中まで伸びた髪を通る。髪質までも梨花とソックリと、今から髪を切る人が言っていた。その時だ、鋏が髪を切り始めた。
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