第一〇七九回 三人集まれば、地上の星座に。


 ――駆け抜ける光の中へ、僕らは入った。迎え入れたのは、エレベーター。



 お星様の数だけある、プラモデルの数々……


 各階に広がるのはね、ジャンルという部門で集う星座のようなプラモデル。


 ウットリしている梨花りか。それは七歳児でも、七歳児ではなくても、今も昔も変わらないという証明。この頃から、もうすでに梨花の好きなものになっていたようだ。


 可奈かなもまた、同調する。その様子も、今も昔も同じ。そうなの。過去でも、僕らの絆は同じという感じの、そうのような証明。きっと、また会えるよ……


 ふと、そう思えた。


 あの日あの時、きっと決められたような出会いにはなるけど、繰り返される過去だけれど、それらは未来へ繋がる。今日の出来事は、三人の思い出話……


 すると現れた、そう、目の当たりに。


「あれ? 小野内おのうちさん、どうしてここに?」


 僕は声にした。身長は凡そ百五十センチあるかないか、十七歳の僕の身長とほぼ同等なくらいに小柄。でも、七歳児の身体から見れば、見上げるくらいの巨人なの。


 ……クスッと、目を細めて笑みを見せる小野内さんは、


「まだ謎は続くのよ。これはスタンプラリーだから、ただのショッピングではないの」


 と言った。この意味わかる? と、僕は思った。


 僕は兎も角、中身も七歳児のままの梨花と可奈の表情を見て、そう思った。


 ポカーンとした感じの表情。僕は補足する。できるだけ、噛み砕きながら。


 つまりは謎解き……


 七階まであるこの建物。そして僕らが七歳児であることが鍵となる謎解き。七歳児といえば、小学二年生かな? 小野内さんは出題した。四十九という数字を用いて……


 ヒントはそれだけ。それとね……


「でも、小野内さん一人なの? 小鷹こたかさんは一緒じゃないの?」と、可奈は質問した。



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