第一〇七六回 まるでポヨポヨの連鎖のよう。


 ――そのヒントはポヨポヨという、お空から降ってくる四種類の図形を並べて消してゆくゲーム。同じ図形が重なったら消えるというのか、基本的な動き。それが連鎖という。



 小野内おのうちさんは、そのゲームを得意としている。さっきまでスマホでプレイしていた程だから。同じゲーマーでも僕は苦手分野。僕は℮スポ専門だから。でもトライはするのだ。


 僕が見るのは扉……


 三つの扉に隠されたキーワードを探ってみた。


 するとするとすると見えてくる、記号らしき、或いは文字とも捉えられる刻印。刻まれたもの。〇△□……その下に刻まれているもの、やっぱりアルファベット。KNM……


 其々の扉。例えば〇の下にKで一枚の扉。△の下にNで、また一枚の扉。□の下にはMで、また一枚の扉と、そんな具合だ。それを解いた人といえば、小野内さんだった。


 僕は思う……


 扉を前に、呆気に取られている梨花りか可奈かなを他所に、ある程度の仮説を立てたの。


 次にくる図形とアルファベットによって、連鎖は巻き起こる。ある単語をローマ字にしたのなら見えてくる四枚目の扉。その扉の向こうに伝説巨人のプラモデルがあるの。


 ここを押さえたのなら、九つの内の六つが手に入る。天神橋筋六丁目で三つ。この南森町で三つとするのならば。だとしたなら……すると目を細めてニンマリとした顔で、


「いいセンスしてるね、君。じゃあ、答え合わせの時間ね」


 と、小野内さんは言う。スマホから手を離すなり、扉の前に立つ。まずは〇の下にKの刻印がある扉。すると徐に押してゆくボタン……って、よく見たら、何やらタッチパネルのようなものに入力している。その内容は其々に1から4の番号に、図形を入れる。


 そこでいらないアルファベットを入れる。そのような項目がある。


 僕が思った通りなら『O』だけど……「君もそう思うか。そのヒントは答えとなるキーワードの中に同じアルファベットが三つもあるからでしょ。なら、残るは『I』だね」


 と、導き出される答えは、僕の思っていたのと同じ。後は残された図形となる……



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