第一〇七五回 壁だけではなく障子にも耳が。
――聞こえる会話。店内の奥から名探偵のような謎解きの数々が弾んでいた。
僕は決めた。今はお好み焼きを堪能することに。それはきっと、
でも、遠くから見守っている。あの子たち二人のことを。思えば僕ら三人、七歳児の時に一度会ったことになるのかな? もしも今がリアルな過去の世界とするのなら。
未来は、少しばかり変わるのかもしれない。
ならば、その未来を知っているのは僕だけ。僕は唯一、未来の記憶を持っている人となるのだから。この世界で……じゃあ、この謎解きの答えとは? スッと現れたの。
霞がなくなった、クリアな鏡のように。
記憶の糸が見え、ボビンに巻き取られてゆく糸のように、鮮明な様だった……
僕は歩み寄る。あの子たちのもとへ。この次の指令を伝えるためにも。名探偵のようなカップルのいるテーブルに、あの子たちは何時しか同席している。つまり、伝説巨人のプラモデルをゲットするための情報収集に、その謎を共に解くために割り込んだの。
僕の大切な子たち。きっと素敵な出会いへ繋がってゆく。
「集めるよ、推理。推理の連鎖で片が付くから。……だよね、お二人の名探偵さん」
と、僕は胸を張って言った。きっとドヤ顔も。
「フム、そうなんだ。その鍵は四つの扉。見てごらん、この店の奥にある扉……」
「三つしかないの。四つ目を見つけるには、そう、推理の連鎖。パズルゲームみたいね」
と、中学生? いやいや高校生にも見えるカップル。男の子の方は、とくに特徴はなく普通の感じ。でも女の子の方は一見、陰キャのように見えるけど、可愛い方。ただ、只者ではなさそうな、ちょっとばかり怖い感じのものを、瞳に感じた。小柄な感じ……
「だね、
ヒントは連鎖。そうだね、三つの扉の連鎖が、四つ目の扉の謎を解き明かす仕掛けだ。
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