第一〇六三回 節分と気付いたのは昨日。
――まさに昨日のお話。夕方以降に放たれる豆。
僕のお部屋にも転がってきたから、何何何? と、その元を探る。すると
「節分だよ。
と言いつつ、渡される、升に入った豆たち。何処に投げるのかといえば、何とスッと現れた鬼の面を被った男性。パパ……ではなく、面の下から声が、
「鬼は外、ほら、僕だよ、僕」
と、とても懐かしき声。忘れてなんかない。ちゃんと覚えているから。短い間だったけれど、僕のパパだった人。僕のパパになってくれた人だったの。
「ティムさん、元気だった?」
「元気も元気。こうして千佳の顔が見れたから」
……そうだね、初めて会った頃とは違う。日本語が上手になっている。初めて会った頃は、片言な日本語だった。そして黄色のボデーをしたPCも、今も大切に使っている。
僕は梨花みたいにエッセイを書きたいと言って……思い出すの。ティムさんが連れて行ってくれた梅田の
物語は、ここから始まったと言っても過言ではなく、ティムさんとの思い出の場所でもある。なので「今度、行きたいなあ……」と、ポロリと出た一言。その一言は、
「行こうか、来週の土曜日に」との、ティムさんの返事を導いていた。
「うん! その日は、僕はティムさんの娘で、ティムさんは僕のパパ」
「合点承知」
と、いうわけで、五年目のスタートを切った、僕のエッセイ。これからも続いてゆくからと、約束となってゆく。『書くと読む』のコンテストも〆切られた。今は読者選考の一週間に入っている。一時期は読専として、新しいもの語りとの出会いに胸を膨らませ。
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