新・第七章 明ける年、令和六年の迎春。
第一〇五八回 スタートは、あけおめ!
――少しばかり落ち着いた今日この頃。騒ぐ僕の頭の中も、少しばかりの整理。
「あけおめ」という言葉も、漸く言えそうにまで。
一富士二鷹三茄子も通り過ぎて、今日はもう十四日を迎えていた。穏やかな朝の筈だけれども寒さを感じる。カーペットの温度を感じつつも、僕とは違った体温も、息遣いに至るまで密着していた。見れば鏡のようだけど、とても温かく柔らかい弾力がある。
同じお布団の中で、重なるものは、唇と唇……
チュッ! という効果音も交えて。そこでパチリと目を開ける
「ウフフ、今年は
「もう毎年恒例ね。やっぱりお約束」
と、いう具合に、今となっては普通のことになっていた。ただ、ベッドかお布団の上かの違いだけ。それから、元旦ではなく今日に至ったことも例年とは異なっていた。
でも、どんなに変わっても、僕ら姉妹は変わらない。
姉妹愛……それは永遠にだ。それからもう一つはね、お祖母ちゃんが我が家に来ているということ。
そして今は事情があって……
落ち着くまでは。多分だけど、以前の様に皆と一緒に暮らしてゆくと思われる。
それに言っていたの、お祖母ちゃんが。
「女手が少しでも多い方が。千佳にとっても大事な時期だし、可愛い孫が新しい家族を生むのだから、元気で健やかに育って欲しいと、皆が、千佳と同じ気持ちだからね」
……そう。スタートなのだ。
日は過ぎたけど、創作フェスのお題も「スタート」なのだから、僕は書く。新年のスタートから、十四日が経ったけれど、
『一年の計は元旦にあり』だったけど、ここからが本当のスタートに思えるの。毎年恒例の部分を踏みながらも、例年にない出来事が満載とも思える予感を感じさせながら……
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