新・第六章 革命を意味するXは、Xマスと関係があるのでは?

第一〇五一回 天使のようなXの鼓動。


 ――そう。あの日以来だ。出会ったことをキッカケとし、お友達に成り得た。



 何時いつだったかな? 僕らが、ちゃんとお話しできた日。十二月は始まっていてもXマスはまだ先に。きっとその前に、学園で何かが起きるような空気……


 あの青い瞳を見た日から、その様な感覚があった。そうは思っても、何が起きるのかを絵にすることはできない。具体的なことや、その骨格でさえも、想像もできないから。


 それらのことで悶々としていると、


「また会えたね」と、今度は珍しい所で会えたのだ。その場所は図書室。新校舎の二階にある。そこには大きなテーブル、向かい合わせに座ったのだ、彼女が……


「私が何者かって? ……そんな顔してるわね。まあ、この学園の関係者でもあるし、自己紹介と転じましょうか。お話、少し長くなるけど大丈夫? 私の名前みたいに……」

 と、言っている口調とは似合わない容姿。


 贔屓目ひいきめに見ても、十歳くらいの外見。フッと息を吐いてから……


「あなた、星野ほしの千佳ちかさんね。高等部二年生。お家は五番町。私鉄で四駅ほど京都より。家族構成は、お父さんとお母さん、双子のお姉さんの梨花りかさん。それに、あなた……ちょっと前までは複雑な家庭環境だったそうね。それから、エックちゃんというワンちゃん。預かってくれて今までありがとね。私の所属してる組織がXだから、そっから取ったの」


 と、いう具合に、僕の個人情報を知り尽くしている様子。どうやって調べたの? 

って感じで。謎多き少女……「知りたそうね、私の名前。でも、それを知ったら変わるよ」


 ――君の運命。


 とまで言い切ったのだ。この先に何があるのだろうか? 沸々と興味が湧いてくる。


「フフフ、冒険心の強い子ね。私の名前は、マリーンゴールデン・アントワーヌ・エリーゼ・エッフェルエンペラー・シャルル・ド・二十七世。……どお? 長いでしょ?」


 覚えられないような長い名前。すると、彼女はクスッと笑って、


「マリーでいいわよ。これで貴女と私はお友達。素敵なXマス迎えましょうね……」



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