第一〇四四回 静かなる灰色の中、空と僕との間には?


 ――灰色は、窓から見えるお空の色。


 そして脳内の片隅にある、思考を巻き戻してゆく道標。



 それは何処まで?


 ヒントは壁一面に飾られている写真たち。そらちゃんが歩んできた道程……


 あのハロウィンの日から、空ちゃんはメイド服のまま。時差を忘れる程に埋め尽くされて、語り切れなかった物語。右から順番に並ぶ番号。写真を見る順番だった。


 色褪せない写真。


 始まりは動橋駅。


 そこから紡ぐ、空ちゃんが歩んできた道。二季がまだ四季だった頃の道。雪解けの春も描かれている。何度も何度も訪れ、描かれる四季。春に繋がりが? そこで思い出した名前。その途端に広がる、あの日の風景。脳内はその場所へ帰ってゆく。つまり原点へ。


 とある出会いは……


 とある小説サイトの『書くと読む』を紡いだ。編み物の原点は繋がりと交わり。縦と横の関係で一つの作品ができる。それは届けたい大切な人のため? 自身へのご褒美なのかも? 僕は、きっと届けたい。遠い日の約束だったから。春日はるかさんとの約束。


 家族が揃う日を夢見て、健気に頑張ると。


 その証とも言える僕のエッセイ。この間は美千留みちると一緒に組んだサバゲ―で色々と助けてもらった……それはきっと春日さんだと思う。キャラクター名が『ハルカ』なので。今もまだチームメイトの関係だ。因みに僕のキャラクター名は『チカ』ということで、お互いあまりネーミングには工夫なく……と、美千留が言っていたから。なら美千留は?


 美千留のキャラクター名は如何に?


 それが『コマンダー一号』なの。僕は考え込んだ。その由来とは?


 まあそれはさておき、空ちゃんは語る。或いは質問、僕に対して? このタイミングで繋がるのは春日さんのこと。僕と空ちゃんの間に繋がっていたのは、春日さんだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る