第一〇三八回 白雪姫とシンデレラが交わした約束とは。


 ――それは、この御伽の世界にある。

 共通点はね、二人ともプリンセスで海外で誕生したストーリー。



 僕はシンデレラ。白馬の王子様から靴を頂き、この地に立っている。天気てんきちゃんは白雪姫……『まるっと天気の子と、新解釈の白雪姫』の生みの親なの。物語は違っても、きっと二人は大の仲良しだ。


 お子様の夢となる、そのような存在。

 そして二人とも、物語を創ってゆく。


 見渡す限りのエブリアニメの世界観。お空にはサボイアS.21試作戦闘飛行艇が飛び交う飛行機雲を残しながら。近未来な仕掛けも満載で、周りの子供たちと一緒になって燥いでいた。その付近には、その子供たちの親たちがいて……僕は見る、その未来の光景。


 すると天気ちゃんが、


「また一緒に来ようよ。千佳ちかはもうプリンセスだけど、今度は私が、ちゃんと白雪のプリンセスになって、お互いの王子様も一緒で、未来のプリンスかプリンセスも一緒にね」


 と黒縁の、四角い眼鏡の奥に煌めく目は、その言葉の奥にある意味にまで誘ったの。


 遠い日の約束。交わされるのは、指切り……

 五年後? 十年後? 僕らは変わらず、今ある心を大切にしたいと誓い合う場なの。


 赤い橋の上。その下に流れる川。そして水の音も併せて。このタイミングで流れるカントリーロード。そこから歩みゆく歴史。ハヤオワールドの歴史を共に歩んでゆく、ある意味で二人だけの自由研究。次の物語へ繋がってゆくための、心のお洗濯となってゆく。


 ハヤオワールドには、あの有名な怪盗のラパン三世が始まりとなる。アニメ化された絵は、まさにその世界観に溶け込んでいる。それから未来少年となり……


 そしてこのバス。巨漢な動物? と、女の子二人のコラボ。僕らも共に便乗し、ちょっとした不思議な世界への旅。変わりゆく風景の中に見る、お空を飛んでいる円盤たち。


 幾つものフィクションの世界が共有することで、一つの新世界が誕生してゆく。



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