第一〇二六回 旋風の最中での学園案内。


 ――風景は赤く染まる。一瞬のことだけど、そう見えた。



 革命で連想するのは、やはりフランス革命。以前グチャグチャの設定で誕生した物語のようで、フランスの代表しそうな川はセーヌ。季節をフランス語にするとセゾン……


 椎名しいなりく君から漂うものは、まさにそれなの。


 学園に巻き起こる革命は、まさにオリジナルのフランス革命のようで、しかも第二次と頭に付く。有り得ることは、生徒会と一般生徒との争う部分? でもせつが生徒会長である限り……それはないと思われる。それなのに何? この脳に過るものは?


 その正体は何か? ラビリンスのまま……風景の色は変わる。いつもと同じで、


 カラフルに。そんな中で動き始めた時、


「君とは少し、お話した方が良さそうね、椎名君。私が案内してあげる、色々と」

 と、可奈かなは言う。但し、それは今ではない。


「何故なら、もうすぐ授業が始まるから。でしょ、藤岡ふじおか先輩。あるのなら放課後? それとも明日のいずれか? 空と共々合わせますよ、あなたの御都合にね」

 と、椎名君は言う。そらちゃんも異議なしだ。


「じゃあ放課後、ここで待ち合わせましょう」

 と、可奈の一言で締め括られた。従って一時は、ここで解散ということになる。


 僕らは歩む。太郎たろう君も梨花りかも一緒のこの四人で。


 逆の方向に進むの、空ちゃんたちと。……とある直感も道連れに去り行く……


 僕は固める、ある種の決心。


 前向きになること。未来に向かうことを。これから生まれてくるこの子たちのためにもママは、今いるこの場所を未来を託せる場所にすることを。そのための革命なら臨むところだと、怖がる心や不安な心……ネガティブな思想を打ち消してゆくために磨く、心の鏡を磨き続ける。僕の一念が負けないように。必ず叶えるという一念だから。そして手を繋ぐ、太郎君と。温かな手、心が落ち着く手……そこから感じるパパの温度も……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る