第一〇二四回 駆け出したくなる月曜日。


 ――それは今日この日。休日の朝と見間違うような、そんな感覚。



 身体を起こすにも、少し時間がかかりそうな倦怠感。半端ない倦怠感……


 そんな時だ、梨花りかが覗きに来てくれた。


千佳ちか、起きれそう?」と、察してくれていた。僕は、


「暫くすれば、大丈夫」と、答えた。つわりも、この頃には治まって、ただ以前に増して倦怠感が目立ってきた。それは、本年の異常な猛暑にも関わりがあると思う。


 体を起こすとゆっくり、歩くお部屋を出て朝食へと。


「おはよう」と対面。皆がいる。食事処にはパパも、お母さんも梨花も……皆、僕の家族なの。いつもと変わらない雰囲気で、アットホームな時を過ごした。


 それからの出発。


 いつも一緒にいてくれる梨花。そして駅では、太郎たろう君も、可奈かなも合流した。皆が周りにいた。忽ち来る電車に乗ったら、流れるのは日常的な風景。見慣れた景色のままだ。


 少な目の会話だけど、少しばかりは……昨日食したケーキのお話だったり、あ、そうそう、可奈が目を輝かせて「プラネタリウム、十一月にまた復活よ。リニューアルされるようだし期待度大。また行くわよ、太郎君も一緒に。千佳と二人の特等席も完備して」

 と言うのだ、宣伝も含めて。


 でも、その頃は……まだ学園に行けているかな? 制服のスカート、まだ合うかな?


 などと思考が過る。そんな中で着く、月曜日の校舎。廊下を歩く中、バッタリと。


「あー久しぶりですう、ウメチカさん」


 と、ハイテンションな声。ポニーテールの女の子で……ええっと、あまり見ないお顔だね。と思いつつも、記憶の糸を手繰る。脳内にある手は巻き戻しに専念するも……


「まさか、お忘れなのですかあ? クスン……そらですよ、空。九月から、晴れてこっちの生徒になりました。ま、まあ、少しばかりハプニングがありましたけど、宜しくね」


 と、自ら名乗るに至った……卜部うらべ空ちゃん。そして、その横にいる男子は一体?



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