第一〇〇三回 葉月の推しの漫画。
――燦々と降り注ぐ夏の陽射し。晴れ渡るお空は、青よりも濃い青だった。
その中を歩む、四人で。聖者の行進が似合う雰囲気。
関西のマルチメディアの中心部といえば、日の本橋。まずは
……葉月ちゃんの好きな漫画。或いはその作者……
問うても「ついてきたらわかるよ」の一点張り。地下鉄から膨らむ人込みの中を、地上に出て十二分。聳え立つ白いタワーの前。そこに飾られる巨大なイラストと、
「これって……」
「そうだよ、
「葉月ちゃんも好きだったの? 大分と古い作品だけど……」
「千佳先輩はソッチだったんだね。僕はまた違うの。マーマレードで最近連載が始まった方。主人公の女の子が、何となくだけど、本人目の前にして言うのもなんだけど……」
つまり同じ作者ということ。ただ、葉月ちゃんの推しの漫画は、僕の推しの漫画と違っていて、連載が始まって一か月の作品。主人公は、やはり女の子で……って、
「つまり、僕ってこと?」「そ、そうなの。千佳先輩に似てるの。それに大ブレイク中なんだよ。アニメ化も検討されてるらしいの。早ければ本年の冬頃。Xマスくらいかな」
颯爽と入る、その建物の中へ。
温度が瞬時に変わる、冷房の効いた施設。飾られる展示品たち。
時の経つのも忘れそうな程に、夢中になる飾られる展示品たち。
僕の推しの漫画は『スクラップブック』で、大分と昔の作品だけど、推しは変わらずに今でもナンバーワン。僕の中では……すると、掛けられる声。僕ら四人以外に知っている顔がそこにあったの。「君たちも来てたんだ」「やっぱり来たのね、千佳」と、この人込みにも拘らず、同じ時間に会うことができた、
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