第九二八回 意気投合と本領発揮までも。


 ――進めば二つ手に入った。


 それは何? 何だと思う? もしも君だったら、どうする?



 学園の改革に加担する組織。それもまた生徒会の役目。僕はそう思う。皆が学園に来て楽しいと思えるような学園生活。……それは僕自身が昔、欲しかったものだから……


 皆を守れるような力はないけれど、


 この各クラブのアピールが、その道へのキッカケとなってくれたらと、そう願う。皆の力が集結したら組み上がるのだと思う。そして梨花りかは、やっぱり只者ではなく、僕の誇りに思えるお姉ちゃん。ほったらかしにしてなかったの。それどころか、二つ入手した。


 一つは葉月はづきちゃんの信頼回復。


 二つは公生きみお君が活動する場所。


 輝けるコラボレーションを果たしたのだ。


 美術と音楽、どちらも芸術部として受け入れたのだ。そしてそしてそして……顧問の先生は令子れいこ先生だけど、音楽担当の先生も復帰したのだ。初めは瑞希みずき先生と思っていたのだけど、元は吹奏楽部の顧問だった経験も、それに早坂はやさか先生がこの学園に来る前に、まだ新米だった瑞希先生の教育係だったこともあって立ち上がったのだ。その先生の名は、出門でもん仁平じんぺいという。早坂先生とは同窓生。学級は違うけど、学年は同じだったと聞いていた。


 早坂先生と同じく、出門先生も年配の域……


 この学園の先生たちも高齢化になってきているの。……後に続く者は?


 実は、この学園の先生の中では、瑞希先生の年代が一番若いそうなの。因みに瑞希先生は今年で三十三歳。……そこからの後継が危ぶまれているのも、また陰に隠れた問題。


 そして今、僕らの進路が真剣に問われる。


 どうしたいのか? 正直なところ、まだ見えていないのが現実。℮スポーツ、そして続けたい、とある小説サイトの『書くと読む』……葉月ちゃんがアピールの際に読む原稿を怜央君と共に作成する中、同じ芸術棟の二階で、僕は……僕は少し未来を思っていた。



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