第九二三回 極めてサプライズな今後の予定。


 ――校長先生の長いお話の前に、生徒会長のせつが締め括った生徒会のお話。



 これまでのコロナ禍によって実現が困難だった取り組みが発表されたのだ。ついにこの日この場所で日の目を見ることに。その内容とは、クラブの充実化を掲げたもの……


 各クラブのアピール。この場で後日行われるの。


 この日を待っていた子は、きっと葉月はづきちゃんだ。怜央れお君も同じ思い……と思いきや、何と彼も入部希望を望んでいたのだ。松近まつちか君も、それからそれから、千歳ちとせちゃんと菜花なのかちゃんも同じく。従って従って、生徒会の拠点も、今再び芸術棟へ移動することになった。


 それだけではなく弾ける行事たち……


 給食時の校内放送も充実する。クラシカルな演奏をお送りする内容だ。その提案は誰がしたのか? シャルロットさんの意思を受け継いだしょうさんと、鈴木すずき公生きみお君の二人なの。


 生演奏ではない……シャルロットさんはもう、学園にはいないから。


 第二ボタンの代わりにリボンを、公生君は手にしている。彼女とコラボした演奏も収録されているCDを流すという計画。音楽で心を満たすという思いが込められていたの。


 そして臨海学校も実現する運び。


 旧一年生と新一年生が合同となる行事。その行われる場所とは、とある温泉街。もちろん海に近い場所だ。お話によると、瑞希先生が少しだけ滞在していた旅館だそうなの。


 その旅館は、かつて瑞希みずき先生のお母さんが暮らしていた場所?


 ……と、いうことは、かつての教頭先生は、その旅館の娘ということになる。なら、誰が今旅館を切り盛りしている? そこには歴史を紐解く楽しさが隠されている。つまりはルーツ。かつての教頭先生の娘が瑞希先生だから。梨花りかには興味のある内容だ。


 秋には体育祭も文化祭も、学園の醍醐味を存分に振る舞おうと、生徒会一同はこの場を拝借して約束したのだ。表の世界が栄える学園生活の想い出を、皆で創り上げようと。


 生徒会の人員も増加。皆が学園を創る思いに立っているのだ。


 先生たちと共に、明るい未来へ向かう前向きな学園へと変わってゆくのだと。



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