第九二〇回 ホリデーナイトは、お祭りの後に。
――ポッカリと、空いた穴を埋められたのは、ちょうどその時だった。
お休みも、もう最終日。
夢のような、そんなお休みだった。寂しくも感じられ、明日への漠然とした不安も、期待へと移り変わる、そんな努力の中、いつしか眠りに誘われた。ポカポカな春の気温。
まだ途中のエピソード。
ボッチで、翌日に控えた登校の日々に不安を感じていたのが、今はどお? 普段とあまり変わりのない、日常に溶け込んでいる。ボッチの世界観が皆のいる世界観へすり替わっているの、いつの間にか。僕の物語は、
束の間程の物語だったけど、お母さんと共にした神隠しのエピソード。それもまた、春の出会いだった。迎える新学期の門出を祝う、千春の物語もまた始まる。
同じ『書くと読む』で、また出会うこととなったの。
千春はウメチカのことをしていた。女の子の容姿をしていても、彼は男の子。十一歳だから、この新学期で小学六年生かな? 一人称は『うち』……僕とは対照的だけれど。
僕は高等部二年生になるから、思えばそう、まだ一年ある。彼が、この学園を受験するのなら、出会えるチャンスはあるの。何故そう思えるのか? 彼も同じだったからだ。
かつての僕と……
ボッチで休みがち。とある事故で入院していたそうだ。なら、僕らの神隠しも同じくヒヤッとする状況だった。実は……生死を彷徨う場所だったそうだ。今回も、
彼のペンネームは、普通に『千春』……必殺技もそうだったけど、ネーミングセンスは僕と、梨花とも同じだから親しみやすい。ホリデーナイトで、この物語に出会えたの。
千春の物語。ここから始まる新学期に、新たな風が流れたのだ。
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