第九一八回 三人が集い、その意味も明らかに。
――名前に『千』が付く人が、三人集ったという事実。
それこそが、神隠しの理由となる。つまり
「力を貸してほしい。今度こそ勝ちたいから。
と、いう具合に、お願いされた。
ともかく千春は強くなりたいとのこと。自分に自信がないのかな? ……ハッとなった瞬間、蘇る初めの頃。この物語の初期の頃。僕と同じだ。千春もまた同じ。なら、
「どうすればいい? どうしたら、僕らは千春の力になれる?」と、訊いてみる。
「手を取り合うの。直列回路の容量。そして大切なのは一念。ポジティブや前向き、明るい未来を信じるの。後ろ向きやネガティブは一切禁止。……うち、いつもここで失敗するの。だから、うちが後ろ向きなことを考えそうになったら、叱咤激励をお願いね」
と、答えた。
どうやら千春の力は、前向きになることで発揮されるようだ。それでこそ生きる千春の魔法。じゃあ、千春がこの世界にいる理由は……そう思った時だ。姿を見せたの。
目の当たりに、
「今、千佳が思った通り、ここは彷徨える場所。僕もここを時々訪れるから。まさに神隠しだったな、千佳も千尋も。でも心配はいらん。千春はきっと勝から、その瞬間に戻ることができるだろう。千佳も千尋も。でも考えたな、千が三人で三千となることを」
と語った。勝つという一念が三千となる。三千倍の威力を発揮する光線となる。
そして思想する。千春の正体は? どうして千春がここにいるのか? と……
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