第一三一章 もしかしたら、ウメチカ劇場も異世界編?
第九一七回 題して『千春の春は、出会いの春』
――晴れたお空、澄んだ海。風景は一変した。
古式ゆかりなスーパー銭湯から、いきなりお外の世界へと早変わりした。
喩えるなら、場面転換? まるで格闘ゲームのステージが変わるパターン。それに乗じて「マジカルチェンジ!」と叫ぶ
「あれはね、人の醜い心が具現化した姿なの。巨大な嫉妬や、コンプレックスの塊。その原因は……うちにあるの。巻き添えにしてごめんね、すぐやっつけるから」
と、千春は言う。その姿を現したのだ。
白とピンクのコスチューム。春を思わせる色。魔法少年と自称しているけど……どう見ても魔法少女にしか見えない。ステッキを掲げる仕草も、コスチュームもスカート。その下にスパッツを履いているようだけれど、とっても男の子とは思えなくて、
『そうなんだよ、いつも馬鹿にされてるんだ。男女って。それに小さいし、喧嘩も弱くて勉強も。それがリアルなうち。僕でも私でもない一人称だから余計に……』
と、具現化した巨漢は言う。それって、もしかして、
「うちの醜い心。最初に戦う相手なんだ。マジカルエンジェルになる子は、その醜い心を制するくらいに強くならなきゃいけないって、先輩が教えてくれたの……」
と、千春は言う。そして名乗る、「マジカルエンジェル・チハル」と、ステッキを回しながらポーズまで決めて。まるでヒーローものの展開。
自ら小さいとは言っていたけど、身長は僕よりも小さい。因みに僕は高校生だけど、この子は何歳? と思うも「十一歳」と答える。じゃあ、小学生? そして僕もお母さんも皆が皆、千と名乗ることはなかった。なら……神隠しの正体とは? 誰? どの様な現象なのか? そこを探求する必要がある。ここからは時として、RPGの要素も必要となることは必至。僕には少しばかりの経験がある。少しばかりの知識も。千春は、何を守るために戦うのか? その意味をも、わかる時は一瞬に舞い上がるのだ。
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