第九〇〇回 ついに迎えたこの日、この回。
――残り百回となるこの回、温い春の風と共に、そっと訪れた。
近づいてくる、カウントダウン……
千の物語まで、あと百回。残されたエピソードたちの中、僕がどの様になってゆくのかは、想像や予測とは違ったものになりそうなの。想定外のことは有り得る今日この頃。
だからこそ、
だからこそ、次へ進んでゆくの……
春の迷いは、ポツリポツリと雨を降らせた。温泉の湯によって火照っている身体を冷ますには、好都合なスパイス。大自然のシャワーに裸体を躍らせたの、四人が四人ともだ。
真逆なものが激突した果てには、
――お空と物語に、虹がかかるように整うの。地に足が着くように。
そして嘘のように、
「晴れたね、
迷いも一瞬。身に纏うお洋服は、次へ進むための衣装の役割も兼ねている。ピクニックへと転じるの。思えば、
「実は一度やってみようと、ほら、一人ピクニックのつもり。見て見て、生まれて初めて作ったんだから、サンドウィッチ」と言うくらいに、自信作のようだ。
摂はお金持ちのお嬢様。サンドイッチなら家政婦さんが作ってくれる。自分の手を使わなくても、準備までしてくれる……だけど、彼女は自らの手で行った。
「楽しみだね、
先程までの温泉の風景が嘘のように、続く細道。奥の奥にも細道が存在していた。何処まで続くのか? と、そんなことを思いながら歩み歩み続けると……
「ようこそ、奥の細道の最果てへ」と、その場所こそがゴールなの? 広がる野原……
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