第八九九回 戯れる風と緑、少女たちの詩。


 ――僕らは女性というには幼くて、まだ少女という段階。だから戯れている。



 自然と、裸の付き合い。


 自然との一体化。四人が四人とも。


 お空と大地が触れ合うように、僕らもまた触れ合うの……出会えたことに感謝。もしかしたなら、僕が進んでいなかったら、出会えてなかったと思える。素敵なお友達。


 あの頃は、身も心も裸になって触れ合えていなかった。


 ボッチだった頃は、

 ……きっと、武装するだけだったと思えた。周りが、敵に見えていたから……


 何てことを思っていたのだろう? 皆、いい子ばかりなの。僕にソックリな梨花りかのことを初めて知ったのは、僕が違法チケットの売り子で補導された日。僕のために、梨花は怖い思いをしたというのだから、謝るために会いに行く日は、とても怖かった……


 間違いなく怒っていると思ったから。


 殴られるのも覚悟する程に、後悔の渦の中にいた。自身の存在が苦しく思えた。


 でも梨花は、僕の想定を覆す程に優しい子だった。ボッチだった僕の思想は、その日に音を立てて崩れたのだと思う。梨花と出会えなかったら、皆とも、今この時もなかった。


 今この時……


 皆が皆、楽しんでいる。綻ぶ顔も、弾む笑顔も、それを物語っている。


 すると、


千佳ちかせつと話してたんだけど、またやろうか」と、梨花が声を掛けた。


「えっ、何?」


「お泊り会。前にやった修学旅行の予行練習のように。新学期が始まる前だから……」


「エイプリルフール。私たちは、やっぱり四角関係だから」と、摂が梨花の言葉の後に続いた。可奈かなは可奈で「千佳がいて、ちゃんとバランスが取れてるんだよ、私たち」と。


 身も心も温まった。個人情報をすべて見せている仲。四角関係の中にあるから……



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