第一二六章 もうすぐ八八八回、ゾロ目だよ。

第八八六回 思いもしなかった回数がここに。


 ――それは連載回数。僕が執筆を始めてからの回数。



 とある小説サイト『書くと読む』は、梨花の紹介により初めて知った。当時、そのサイトで連載している梨花りかが書いているエッセイの『りかのじかん』を読むために、登録したの。登録については可奈かなの力も拝借した。


 ……その世界については初めて知った。

 スマホも、ティムさんに出会ってから、初めて知った程だから……


 梨花の『りかのじかん』に涙することもあった。お友達が身近にいること。パパとママだって。それに等身大の親しみやすい文面だからこそ、僕は夢中になれたの。


 続きが気になるから、明日へのお楽しみにできた。明日が楽しみになった。


 そしていつしか、

 僕もエッセイを書きたいと思えるようになって……


 その原因は『りかのじかん』が完結したから。確か、第五回の『カクヨムコン』にエントリーすることを機に。ちょうど一月三十一日の締切、十万文字を達成した日に。


 書きたいと思っても、これまで書いたことはなくて、まったくの初めてだった。梨花を真似るにも、真似るだけの技量も経験もなかった。真似できる程、器用でもなかった。


 何事もそうだった。思えば何事も……


 授業だって、皆と同じようにできなかった。体育の時間がいい例だ。いつもワンテンポ皆から遅れる。お母さんにだって、それで怒られたことが……多々あったの。


 今はどうかな?


 わからないの。梨花も可奈も、普通に接してくれる。


 特に梨花とは行動を共にすることも日常茶飯事だから、大丈夫だったのだろうか? あの頃からすれば、まるで嘘のようにも思える。太郎たろう君は、その前からお友達。


 ……きっと、僕に合わしてくれていた。


 今の僕はどう? 以前よりも自信が持てるようになったのだろうか? 少しでも。



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