第八五〇回 募る想いは、雪景色のように。
――深々と降る雪。教室の窓から見る。……いいえ、ぼんやりと眺めていた。
気配を感じない程の、募る想い。
思えば綴ってきたの、これまで。
もうすぐ三年になる、とある小説サイト『書くと読む』で連載を開始してから。僕の募る想いの集大成が『ウメチカ』だから。僕の青春を赤裸々に綴った不思議な物語。
――現実は小説よりも奇なり。
そう言っても過言ではない出会いの数々。この度もコンテストにエントリーだ。
エントリーする度に、新たなエピソードが増えている。摩訶不思議なエピソードが、このウメチカには集まっているの。
お友達から始まって、今や姉妹。
それを知ったのは、赤い狐と緑の狸がキッカケだった。
まさに今のような、深々とする寒空。こんな時は窓からお外を眺めるのには最適。そんな物静かな時間なの。するとトントンと、横っ腹を突かれて指で……
「梨花?」
隣の席は梨花なの。姉妹仲良く座っている。
「
クスクスと笑い声も聞こえる。すると「千佳、教科書が逆様だよ」と、梨花の声……
ササッと持ち直す教科書。僕はきっと、少しばかり顔を赤くしていたと思う。
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