第八四八回 令和五年、あけおめ!


 ――そして皆様、あけましておめでとうございます!



 ウメチカが連載を開始したのは令和二年、二月二日。三度の元旦となります。


 思えば、もうすぐ三年。長いようで早かったですね。でも、僕の登場はもっと前で、殆ど梨花りかと同じ時期。僕の歩みは不思議なことに、梨花との歩みでした。


 僕と梨花は同じ日に生まれた双子でしたけど、育った環境は全くと言っていい程に違うものでした。それに二度と会えるかも知る由もなかったのです。出会い……というのか再会は、あまりいいものではなかったのです。僕は売り子。違法のチケットを販売していました。そのために梨花が間違われて、補導されたことが始まりでした。


 その頃はまだ、僕らはお互いが双子ということを知らずに……ボッチだった僕に、初めてできたお友達でした。そこから梨花との関係が始まりました。



 でも……


 運命の日は、そんなに遠くなかったの……


 ウメチカが始まって同じ月の二十二日に、僕らは知った。僕らが生き別れた双子ということを。梨花は大きな衝撃を受けたけれど、僕はホッとしていたの。僕の素朴な疑問に答えてくれたから。まるで鏡のように似た容姿も、時折シンクロする思想も、そして……


 梨花が優しいお姉ちゃんだから。


 そしてまた、とある小説サイトの『書くと読む』との出会いでもあったから。


 これからも、執筆を続ける。二人で。


 そして扉は開かれた。僕のお部屋の出入り口にて。


千佳ちか、さあ出発だよ。一年の計は元旦にありだよ」

 と、颯爽たる梨花の登場。しかも晴れ着。昨年を彷彿とさせる姿だ。


「梨花、あけおめ! 僕も着替えるけど……何処に行く? 羽根つきするの?」


「ううん、電車でゴー。浪速のマルチメディアの中心部。バンプラ購入だから」



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