第八四七回 題して『新しいウメチカ!』


 ――このタイトルに至った。僕の原点……原点に帰ろうと思ったから。



 その物語こそが、この度の書くと読むのコンテストにエントリーを目指すことになる短編で描く僕の物語。時系列は、やはりこの季節に合わせて冬……梅田うめだの姓になった頃。


 なったばかりの頃だ。


 時は令和二年の一月。僕が十三歳の頃、初めて「パパ」と呼べる人と一緒に歩んだプチ旅行での出来事を、ついに語ろうと思う。これまで明かされなかった出来事だったの。


 もうすぐ三年を迎えるウメチカ。


 ここが節目となる時、ウメチカは新しい展開を迎えようとする。


 まるでザ・シーズン。青春の青は藍より出でて藍より青しなの。爽やかな青色なの。


 僕が、初めて「パパ」と人は、ティムさんだった。手を繋いで、儚くも、それでも楽しいプチ旅行。最寄りの駅から出発する電車での旅路。それは、僕が電車が好きだから。


 方角は、やはりウメチカだけに梅田。


 もう少し先まで……私鉄沿線ならば梅田が終点なのだろうけど、さらにその先へ、路線を変えて進む。選ぶなら、宝塚よりも御堂筋……マルチメディアの中心部もありかも。


 それなら堺筋線も視野に入る。


 ――お泊りもありきだ。親子の親睦を深めることが目的で、その前の関係は友人だったから、友人から親子に変わるための二人きりのお泊り。僕がティムさんにお願いした。


 僕が描いていた、

 パパとしたかったこと。梅田を舞台に展開していく、ちょっぴり切なさもある旅路。


 そして……


 僕が以前から綴りたかった内容だ。


 ウメチカは、旅物語としたかったのが、僕の最初の構想。……でも、二転三転することは日常茶飯事。特にコロナ禍、そして移ろいゆく社会情勢。その影響をリアルに受けている僕の物語と、僕のリアルも。その前の、何も問題もなかった頃の、旅路の出来事だ。



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