第八四三回 思っていたよりも、早かったの。


 ――師走の到来。もうその日を迎えていた。『書くと読む』のコンテスト。



 十二月一日の午前零時。

 そこから、投稿の嵐が巻き起こったのだ。


 おもちゃのチャチャチャのように、箱から飛び出す素敵な宝。この小説サイトを通して広がった縁。ボッチだった僕が、もうその面影もない程、多くの人達と知り合っていた。


 そしてウメチカも、もうすぐ三年……


 僕には二回目の参加となる。悩んだのだけど、この『新章たるウメチカ』も、ちょっとだけ整理を施して……誤字脱字など修正しながら、エントリーしようと思った。


 もう少し、


 もう少し、時を数えながら……


 これまでの歩みを噛みしめながら、そして募集部門も、これまでとは変わったような感じもしたので、よく吟味した上で決めようと思う。そう思いながら、僕のダッシュボードをチェックし、イベント情報の画面。そこの自主企画で見かけた……


『地より湧きたるエージェント』という作品。僕は読む、拝読との思いを込めて。そこで知る彼女たちの戦い。千歳ちとせちゃんと菜花なのかちゃんの、もう一つの顔……


 想像をもできないような、壮大な世界。今は一段落が着いて、新たな章へ入りそうな感じだ。それは、彼女たちにとっての新章。それを機に執筆を始めたように思える。


 そのペンネームは、


 チーム孔明……? 思いも依らないものだった。


 いずれにしても、これからは僕らと一緒に学園生活を満喫してほしい。そして生徒会のお仕事も共にしていくのだ。彼女たちの望むものは、人を救うこと。そのために、今まで培ってきた技術などを役に立てていきたいと、前向きな思いで綴られていたのだ。


 なら、この師走も、


 きっと冷たい風ではなく、シャンデリアのように煌めく小雪の似合う景色となるのだ。



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