第一一六章 そして、ウメチカの向こうには。
第八三六回 生まれて初めてのウェートレス。
――思えば、売り子を経験したことがある。高額チケットの売り子。
黒歴史……
とも思える内容だけど、そこから未来に繋がる物語が始まったのだ。
なら、それはゼロカウント。今からワンカウントとなってゆく。歩みは始まる。
同じアルバイトでも、全然異なるアルバイト。正しきアルバイトだ。
胸を張って挑む。後ろめたいことなど何もないから。そこは聖地で、
軽やかな足取りのように、
重厚感を与えないように、
だからこその狙いなのだろうか? このコスチューム。ラーメン屋さんとは思えないような『
「か、可愛い! やっぱ似合うと思ってたんだわ」
と、キラキラ輝く瞳で、翔さんはまるで乙女のように……って乙女だけど、とにかく感激したような趣で「ほらほら」と、僕の手を引っ張って、お客様の前とか太郎君や店主とかに見せて回って「どうだ、この店の看板娘に」と、紹介までしてくれたの。
それでそれであっと言う間に、
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