第八三四回 そして「ハッピーハロウィン!」


 ――少しばかり早いけど、その言葉を放つ。今は目の前のこの子たちに。



 地より湧きたるエージェントたちが、エンジェルになるための出発を祝う言葉に。この先のことは、僕らは干渉しないけれど、必ずまた次なる展開に迎えると信じている。


 とてもいい子たちだから。


 菜花なのかちゃんも、千歳ちとせちゃんも、一奈ひとなちゃんも……


 お菓子のプレゼント。とても喜んでくれたの……


 抱えている重いものも、もうすぐ決着しそうな、そんな逞しさも感じる。僕は何故そう思ったのか? それは瞳が物語る。次元は違えど、命を懸けた出来事があったこと。


 この子たちが徒ならぬ、世界にいたことは何となくわかる。でも、


 それは想像もできないような、壮絶な匂いを漂わせている。時折見せる赤く光るような鬼の目、普通では起こり得ないような表情も、僕は瞬間でも見えていたの。


 だからこそ、応援してあげたい。


 いい子たちだからこそ、この戦いに挑むのだと思う。その目的は、僕らの望む道に通ずるものと確信できる。そして一緒に手を取り合って、生徒会で共に平和な学園を築いていこうと心待ちにしている。遠くない未来。その日ももう近いと、僕は心を決めている。


 少なくとも僕が、

 過去に味わった暗い日々が、誰の身にも起きないようにと。そして僕を、今の状況にしてくれた縁する人々の恩も合わせつつ、この願いを現実にするための戦い。


 このエッセイは価値創造なのかも……


 僕はストーリーを描いている最中なのだ。そう熱い思いが込み上げてくる。ここからまた僕のストーリーも新たな展開を迎えそうな、そんな予感をも五感を越え、第六感をもって感じている。涙のその奥から迸る思い。それこそが信念とも思える譲れない思い。


 僕らはきっと、この「ハッピーハロウィン!」から、新たなる章を迎える。この子たちと新たなストーリーを描いてゆくと、僕は……そう、信じているから。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る