第八三一回 実はね、もう少し満喫していた。
――皆で、バンプラを組み立てる前に、もう少しだけ満喫していた梅田の地を。
ドバシカメラの、その店内を見て回る。様々な種類の電化製品。
そこに時代の進化を見る。
キラキラ輝くこの子たちの瞳。
それにしても、この場所が珍しいのか……
何もかもが新鮮な趣。絶えない笑顔と弾む質問たちで、その答えも弾んでいる。
見て回るだけでも、この子たちには冒険ともいえる新鮮な風景。五階の模型コーナーだけでも、きっと飽きないことだろう。そしてついに……
「あった!」
と、幼気な声。何とも梨花の声と同時に菜花ちゃんの声も響いた。
顔を見合わせる二人。すると同時にプッと笑って、その周りをも笑顔に包んだ。殺伐とした世間を忘れそうな、そんな一時。まるで世界が二つあるような錯覚さえ覚える……
今のような世界なら、
きっと世間も、明るい話題で盛り上がることだろう。遠い日に見た光景と同じで、そこには自己否定はなくて、誰もが使命ある人材と、前向きになれる世界。同じ現実世界に存在して……後ろ向きな僕は、前向きになろうと、常に挑戦の日々を送ってきたと今なら、
今なら、心から堂々と自信をもって断言できる。
一片の曇りもなく、この子たちと共に、明るい未来を築きたいと、そう思った。
その時だ! ボワッと……という表現よりも、もっと神出鬼没で、いつの間にかそこにいたの、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます