第八二八回 繋がるものは、僕たちも。


 ――インターネットだけではなく、想い出の糸も、僕らの心も。広範囲で繋がる。



 夕刻に試して候……


 僕の黄色のノートパソコン。LANケーブルで試みる。モデムの裏側には四つのLANポート。すでに二か所は使用。ケーブルテレビ用と梨花りかのノートパソコン用。


 そして徐に、梨花専用のピンク色のノートパソコンから外したLANケーブル。それを繋ぐ。僕の……千佳ちか専用の黄色のノートパソコンへ。間髪入れずに起動した。


 画面右下の地球と駐車禁止がコラボした表示が……


 インサーネットの表示へと変化した。つまりつまりつまり……「繋がった」

 と、僕と梨花はハモる。


 そしてスマホから、クスッと漏れる、可奈かなの笑い声。


『どお、忽ちはこれで大丈夫でしょ?』


「うん、大丈夫も大丈夫。ありがと、可奈」と、心を込めて感謝の言葉。


「じゃあ、早速だね。執筆開始だ」と、梨花も僕と同じでテンションが上がる。そこからは執筆だ。梨花と僕、同じ画面を見て、キーボードは僕が……執筆も僕。なぜなら僕の作品だから。そしてこのPCは、僕のノートパソコンだから。梨花は応援。


 フレーフレーとエールを送る。


 そこで思った。繋がったものはインターネットだけではなく、通い合う心。繋ぐために三人の心が一つに集中した。繋ぐという一つの目的に、三人の力が集結。


 執筆は、喩えるならマラソンのようにも思えた。


 時には短距離走? 短編もあるから。中間距離なら、中編もある。でも僕は、長距離を目指すの。ウメチカは、千のストーリーズでゴールを迎える長編だから。


 まあ、ともあれ今は、梨花のお部屋を拝借している。まずは台風が通り過ぎてから、そこから復旧となる。僕のお部屋までLANケーブルを這わすのだから、ケーブルもモールもクランプ材も揃えてからとなる。その時は梨花も僕と一緒に作業すると言っていた。



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