第八一四回 夏の陽射しを感じて。
――懐かしく感じる、プールという存在。まるで大自然の海のようだけど。
見た目? 素足で感じる冷たさ……
西瓜のような香りも、まるで海のようだけれど……やはりプール。カルキの匂いを若干だけど感じるの。よって人工的なもの。或いは、
なので難しく考えずにあるがまま。
この風景を楽しもう。今この時を楽しもうと、愉快に。
僕は、もう水着姿。二人で
「素敵だ」との一言。他に何もいらない程、太郎君は僕を見ている。
「あんまり見られると、いくら僕でも恥ずかしい……」
と、お顔はきっと真っ赤。そして太郎君も水着。水着なだけに水玉模様……しかもお揃いという快挙。いくら僕でも……と、自ら言った言葉も脳内で繰り返され……
「キャッ」
水が飛んできた。
太郎君が水を掛けた、僕の顔に。なら、「やったな」と応ずる反撃。見事なる入水に水の掛け合い。バチャバチャと字幕を飾りそうな、効果音も立てながら。
二人揃ってずぶぬれ、髪も何もかも。陽射しの当たる部分が温くて、水の中との絶妙な体感温度を奏でている。思い出す小学校の頃のプールの時間。あの頃の、夏休みのプールの時間は楽しい思い出。そこからひび割れる、過去の辛い思い出。まるでまるで黒い雲を切り裂く、光のように。そこから白色に輝く場面は、今この時を繋ぐ。楽しき思い出は未来を繋ぎ、希望にも似た輝きを放っていると、僕にはそう思えるの……
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