第八〇八回 僅か一時間程度の滞在時間。
――それは週末を迎える前の、ホームルーム終了間際の有様。それに喩えられる。
帰り支度急ぐ、教室の生徒……
と、その前に違いはある。それは成績書の類、渡される。もちろん手渡し。
そうだね、シビアという表現この上なく。
平均点は維持して……まあ、確かに得意不得意はあるけど、山あり谷ありとも言えるのかな? ギザギザやジグザグとも。グラフに表現したなら自己主張よりもハッキリ。
「うん、確かにねえ……」
と、ヌッと
「こらこら見るなあ」と、梨花は言うけど、どの口が言う?
「人のこと言えるの?」と、まず僕の感想。続いて「ここまでソックリとはね」と、凛は梨花だけでなく、いつの間にか僕の成績書とも比較して感想を述べる。やられてなくてもやり返している凛。それはそれは僕を上回って倍返しの域に達していると思われる。
「得意は違っても、傾向は同じねえ」
と、瑞希先生も付け加えているの。それも、スーッと僕らの背後に立って。夏の怪談よりもサーッと冷たいものが背筋を走って「のわっ!」という短い悲鳴で表現された。
「本当に呼吸ピッタリね、梨花さんと
そうなの。八月六日は登校日。少し先の本来なら毎年恒例の学園行事ということ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます