第八〇一回 始まる三年越しの対戦。


 ――時は来たれり。



 先程の怜央れお君との対戦……つまり巨人同士の戦いなら、太郎たろう君のウルトラ・タロも参戦できそうだけれど、男に二言はないとのこと。やはり僕と瑞希みずき先生の一対一。


 それが、決勝戦となる。


 これまでできっと、地味な試合となる。


 先程みたいに巨人同士の戦いではなく、等身大の女性キャラ同士の戦い。僕は黄色い魔法少女でステッキを武器に戦う。対する瑞希先生は、やはり黄色い悪魔。仮面タイガーに変身して技を駆使して戦う。武器は持たない。パンチとキックが主となる技。


 颯爽たる『きりもみキック』だけれど、


 僕は躱す。喩えるならドリル……回転しながら急降下してくるキック。回転には回転をもって迎える。無効化を図る技……その向こうに未知なる世界が広がる予感。


 続く胸騒ぎ。


 それは何? 油断できない不安な心。でもトキメキも。未知なる世界に興味津々な趣も感じられるの。……どうだろう? 画面の反射で映る自分の顔。笑っている? この状況で、笑みを見せているとでもいうの? 決して優勢ではないこの状況……だけど劣勢でもなく中途半端な状況。それは瑞希先生も同じ……笑みを見せているところも。


 対等。


 まったくの対等……


 思い出される、初めてあなたと対戦した日。とある大先輩のお家……梨花りかとパンプラ部門で対決している未来みらいさんのお家で、僕とPS4・5の格闘ゲームで対戦して、とても楽しかったことが思い出される。瑞希先生はゲーマーで御強いとの噂……僕も、久しぶりのゲームだったので手加減できずに、圧勝してしまったこと。何度もリベンジする瑞希先生との対戦が、とても楽しくて……きっと楽しんでいる。これが決勝戦となる。


 しかしながら、まだ見えない次の瞬間。あくまで油断は禁物。油断は……



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