第一〇九章 緊急救急な迅速な対応を求める章。

第七九五回 そうはいっても、朝まで待てずで。


 ――お話は、朝まで待てなかったの。決勝戦を控える明日の朝まで、その後さえも。



 僕らは、またも入手したの。


 三人だったから、賞品も三箱……さっきのしょうさんのいるラーメン屋さん。見事完食したから。制限時間内で『チャーシュー麵の特盛!』を。席も横並びでティムさんと明峰メイホウとそれに僕。呼吸もピッタリに食べ終わる。そのタイムもコンマ何秒かの世界……


 僕はもう二回目。見事に顔写真付きで店内に名を残すこととなった。きっと次回からは常連客にその名も知れ渡る……「オオグイノチカだね」と、明峰の言う通りに。


 それにしても三箱……

 いずれもバンプラ。レッドコメット専用機で……


 この間のとは異なる機体。僕のは『水泳部』ともいえる、連邦の量産型の腹部を鋭い爪で貫通させた機体。ティムさんのは、やはり大人向けのもので、景品にしては超豪華。最終兵器のネオング。そして明峰のは、オリジナルかな? 通常は黒い重厚型な機体を赤くしたもの。言われてみたら、鋭いモノアイの機体の原形と見えなくはない感じ。


 そして明峰は問う。


「ネエ、クミタテダネ、コレ。クミタテシタコトナイノ。ドウクミタテルノ?」


「それは組立説明書を見て……」と、ティムさんは言いかけたけど、明峰が訊きたいことはそれじゃないと僕は思ったから「まだ、時間大丈夫かな?」と、訊いてみた。


 黄昏時にはまだ早く、夕映えにもまだまだ……


「ダイジョウブ。ニイサントコイクカラ。ニイサンのオウチ、チカインデショ。チカノオウチイキタイ。イマカラ、ダイジョウブ?」と、明峰は言ったの。まさしく僕の言いたいことが全部収まっていたからビックリだ。

なら、レッツ・ゴーだよ! 颯爽たる電車。思いついたその時に乗車。そこから一本線で最寄りの駅という名の最寄りの駅に着くの。


 その最寄りの駅は、僕のお家へ続く最寄りの駅……なんだかややこしいけれど、簡単なルートだ。そして、バンプラといえば梨花りか。梨花からレクチャーを受けたら大丈夫だ。



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