第七九一回 やっぱりウメチカは、僕の原点の場所だ。
――マイ・レボリューションの裏には、必ずこの場所が関わっていた。
ここでティムさんと出会って……
ここでティムさんが、僕と重ねていた妹の
とても嬉しかったの。僕は自分のことのように嬉しかった。まるで、僕に妹ができたのと同じくらいに嬉しかった。他人事とはどうしても思えない程の縁……そう噛み締める。
貰い泣き必死の場面で、
「
「せっかくだからモリオカートしてみない? 始めはティムさんと明峰。次に僕と……でもでも、三人でも大丈夫と思うから」と言ったまさにその直後、「じゃあ、私を入れたら四人だね」という声が聞こえて振り返ると、いつの間にか僕の背後に
「千佳、何て顔してるの? もう泣ける場面じゃないでしょ」
ササッと、僕は涙を拭いて笑顔に努める。可奈はフーッと息を吐いて
「さあ、再び挑戦よ。明峰といったね、バイオリンでは完敗だったけど、モリオカートじゃ負けないから」
そしてギュッと掴む、僕の右手。「私はこの子とタッグを組むから、あなたはティムさんと組んで、早速勝負よ。何せこの子、千佳は℮スポーツ部門でチャンピオンだった子だから、勝ち逃げは御法度、それに来年も挑むから、あなたはずっといなさい」
と、啖呵を切るのと同時に、笑顔も見せた。
いかにも可奈らしい展開といえばそうなのだけれど、明峰はまだ残っている涙を拭きながら、「ノゾトコロダヨ」と、笑顔を見せた。
そしてここは、もう会場だ。
予定通りの十時から始まる。そこではまた、℮スポーツ部門の第二回戦が開始されようとしている。ここと通過したグループと明日、僕と
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