第七八七回 明日は多分……


 そっと夕映え。そう、帰り道。


 明日も僕らは、この地に集う。その地は近く遠く梅田の地。


 ウメチカの発祥の地。僕の物語はここから始まったと言っても過言ではない。梅田を外して僕は語れない。梅田うめだ千佳ちかという自分が、僕の物語に革命を起こしたのだから……


 今は星野ほしの千佳に戻ったけれど、しっかりと梅田千佳を引き継いでいる。なぜなら自分は自分、縁する人たちと歩んでいる自分、それ以外でもそれ以上でもない。


 正真正銘の僕なのだ。


 そして夕映えはロマンを導いた。知らず知らずと夜の帳……

 気温の高さが眠りを誘う。いつの間にかフッと夢の中へ……


 思考が停止する程の淡く、迅速な眠りの中、そこでも僕は育んでいた。愛を、それからお腹の中に宿した未来の子。しっかりと脈打っている、懸命に生きる命。


 その時、脳内では何を見たのだろう?


 瞬く星。それとも流星群? それらと出会う程の奇跡。我が子と出会う確率はもっとシビア―ともいわれる程の確率。それくらい重いの。だからお母さんは、命懸けで子を守るの。それは誕生の瞬間。その時にあるのだと思う。五感をもって感じる。


 痛みを乗り越える感動。その感動は何万倍と大きなもの。僕はきっと、命懸けで我が子を守ってゆく。色々あったけれど、僕はお母さんに愛されていたと確信。


 深い愛だからこそ、

 様々な修羅場に於いても、命懸けだった。


 だから僕も、同じなの……パパとママ揃っての家庭を、僕も太郎たろう君も夢見ていた。我が子にはその夢を実現すると、誓い合ったの、愛を育むときも契りを結ぶときも固く。


 ……すると、パッと白く。


 お部屋の明かり? そして覗き込む梨花りか……「千佳、大丈夫?」と訊いてくるの。その時気付く、夢だったの? と。「ヒーヒ―フ―と息も荒かったし、何か魘されているみたいだったから」と、その様子も添えて。きっと晴れ晴れ。Maybe明日 Tomorrowは多分……



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