第七八四回 続々登場! 予測不能な展開と必殺技も。


 ――ひかる君のガハハ笑いとともに、多数の青い閃光がタロを襲い追い詰める。



 バラバラになったノッコロイドの頭部と四肢は移動しながら、青い閃光の元となる丸い物体を幾つも繰り出し、四方八方から常時タロを追いかけている。見事なる煽り運転。


 いつもは大人しいイメージの輝君が別人のよう……


 りんがドン引きするほどの変貌と悪魔にも似た表情……だが、しかし、まだ退かず退くという文字は、我らがウルトラ・タロの辞書にはない。それが証拠に太郎たろう君の目は、輝きを失わずに捜しているの、勝機という僅かな隙間。だから、僕はここにいる。


 ……できることを捜しながら。その末に問う……


「太郎君、僕に何ができる?」


 すると太郎君は、フッと深い息を吐いて、吐きながら……


「ここにいてくれたらいい。いてくれるだけで。

 ――千佳ちか、お前は俺の勝利の女神だから、ここにいてくれ」


 と言ったの、言ってくれたの。まるで意表を突いた爆弾宣言で、込み上がる歓喜と紅潮しているであろう僕の顔に集まる熱気は、僕に言葉を誘った。


「ちょ、ちょっと、どさくさに紛れて……」と、いう具合に。


「何も言わないでくれ、今は。見守ってくれるだけで……」と、太郎君が言っている途中で、衝撃が走った。放たれた青い閃光の一つが、タロの右脚を直撃したのだ。


 ……粉砕した右脚。タロは膝から下を失った。激痛が走る太郎君。第一回目のウメチカ戦から、このゲームには、その様な仕掛けが施されていたの。微電流が走る仕掛け。


 ダメージはアバターと共有する仕掛け……


 それでも容赦なく、青い閃光は休むことなく襲い掛かる。無数の放物線を描きながら。


 それでも梨花りかの目は椎茸の断面図のように、「いいね、オールレンジ攻撃」と呟きながらウットリという表現も近しで、しかも未来みらいさんも同じような感じで……


 思えばオールレンジ攻撃は、レッドコメットが先駆者だった。一番初めに実行した人。



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