第七七八回 彗星同士の激戦と、現在のバンプラ事情。


 ――正面からの一騎打ち。それが今の状況。



 バンプラ部門の参加者は、この二人だった。梨花りか未来みらいさん。


 普通なら、参加者二名だけの部門は有り得ないのだけど、この店舗を見回ってもわかるように、バンプラの飾られている数が少なく……お店でさえも入手困難な事態なの。


 品薄……


 どの製造メーカーも悩ませている事態。バンプラだけではなく半導体の部品も。自動車メーカーだけではなく医療に使う機械も、工事現場の材料さえも……世界中の問題。


 転売ヤーが品薄を作ったわけではなく、転売ヤーも品薄だから群がっている事態。


 以前のような品揃えは、まだ見通しが立たず。


 そんな中、今回の参加者二名は、奇跡に近く……いや、まさにミラクル。そして、この二人の直接対決は、これまでの参加者たちの興味を抱かせるには充分な材料で、バンプラ部門が中止にならずに済んだのだ。それだけに熱い。熱気あふれるバンプラ部門だ。


 映し出されるモニター。


 飾られるレッドコメット専用機。梨花と未来さんものが二体二種類ずつ。……どちらもピンク系の色彩。忠実に再現したと思われるレッドコメット専用機の特徴。


 アニメでも有名な機体だけに、

 独特なアレンジや改造など施さなかった様子。一体目は初期に使われていた機体。丸いモノアイと、動力パイプが特徴。躍動感あふれる仕上がりは二人とも……展示されている中でも、二人のバトルは続いている様子。この機体の接近戦は発熱式のトマホーク。


 二体目も同様で、アニメの設定をリアルにしたような感じで収まっている。鋭い印象を与えるモノアイ。動力パイプも装甲内に収まったと思われるような感じ。この機体の登場は後期。ビーム式の薙刀を武器とする。……まるでこの間、僕と太郎たろう君の℮スポーツの練習時に乱入してきたりんのアバターを連想させる。そこでハッとしてグッときたの。もしかしたら……と思いつつも、凛の攻略法が見えたような……あくまでそんな気がした。



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