第一〇七章 またもゾロ目企画『七七七でフィーバー』

第七七七回 そうなの。第三回は七七七でゾロ目なの。


 ――つまり『スリーセブン』七が三つだ。



 このタイミングで僕らは、第三回のウメチカ戦を迎えた。時は令和四年七月十六日。


 歴史に刻まれそうな激戦。今回のウメチカ戦は何かが違うという、そんな空気。すると流れる音楽。クラシカルな調べ。しかしながらファンファーレの役割を十二分に発揮。


 まさかとは思ったの。


 旋風のような旋律……もう始まっているのだ。第三回のウメチカ戦は今ここに……


 可奈かなの表情が物語る、いつもとは違う雰囲気。迫るものを感じる心に迫るもの……荒波のように細波のように、その表現とも異なる説明のできない可奈のバイオリンの演奏。


 とにかく今までに見たこともない可奈の表情。


 それに対するはピアノ。鍵盤が物語る公生きみお君の表情。……眼鏡に反射する光のその奥には、普段の彼の様子からは想像できないような激しさ。彼の感情が叩き込まれたかのような調べ。……どちらかといえば、この二人は戦っているの。デュオといえどもコンビネーションとは懸け離れたもの。お互いに譲れない音楽の観念。まさに二人は抗議しあっているような感じとも。掛け合い……漫才とは異質なものだけれど、心奪われるほど……


 それは僕らだけではない。


 ここに集った人々の、そして遠く離れたオンラインで繋がった人々の心まで奪っていることをも想像してやまない。それを迫力という言葉で表現していいのか、僕は迷ってけれど、自身の語彙力が覚束おぼつかないことを悔いるほどだ。それはきっと、この二人のことを知らずとも、心に残った曲と確信に至った。そしてこのウメチカという場で、


 ――上る国旗。


 地下でもここは吹き抜けの場。風は巻き起こる。

 これから行われる日の本一を競う戦いの数々の象徴ともいえる。


 そして同時に飾られるバンプラの、レッドコメット専用機二体。梨花りか未来みらいさんが手掛けた二種類。なので二体ずつなので計四体。まさに一騎打ちとなるバンプラ部門……



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