第七七三回 モックモック木曜日。


 ――とあるスーパーで流れていた昔懐かしい某アニメの主題歌を替え歌にしたもの。



 今日は木曜日。梨花りかの出展用のバンプラ、レッドコメット専用機二体も完成目前へと辿り着いた。(流石は梨花)と、僕は称える。そしてその決定打はパパが加入したこと。


 気付けば明け方まで……

 没頭していたの、パパと一緒に三人で。


 それでも今日はまだ平日。パパはお仕事も、僕らは学校もある。同じお部屋で三人が川の字に近くも雑魚寝という有様。完全なる夜更かしを満喫したのが手に取ってわかる。


 眠いけれど、大いなる達成感。


 教室ではお話の輪の中。今は普通にあることだけれど、ボッチの頃は、その輪の外から住む世界が違うのと羨んでいた。ボッチなのは、他の子のように、普通のこともできないほど不器用だからと、そう納得していた。……思えば、梨花や可奈かなにはそれがないの。


 普通と異なる世界……


 或いはポジティブな世界の中。僕も彼女たちと何ら変わりのない、お友達という者。


 お友達のように接してくれた。会って間もない頃から。とくに梨花とは双子だということを知る前の頃から。今もこうして一緒に歩いてくれる。僕はもう体感しているのだ。


 ボッチの子ができない世界を。

 いじめが消える大きな世界を。


 ウメチカ戦は、そのために設けられた戦いの場だったのかもしれない。


 ウメチカの物語から誕生した、大いなる可能性の一つ。回を重ねるごとに、僕が求めていたイメージに近づいてゆくの。ボッチの子がボッチではなくなる物語。


 それはまるで梨花のバンプラ。組み立てたものを分解してまた組み立てる……その繰り返しで、精度は高まる。高まる精度は、きっと求めるイメージに近づいている。だから僕は、このエッセイを綴っている。僕らがまた、未来の子供たちに伝えていけるようにと。


 一緒にスーパーで買い物した時に、そんなお話ができるようにと……



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