第七七一回 それは、お月様の日。
――マンデー。お月様が見える時刻も、冷めない熱気。隣接する二つのお部屋で。
とくに
未来さんとは、梨花のバンプラを通じて知り合った。そして未来さんは、かつての
僕ら姉妹にとって、ある意味では縁深き人だ。
出展するバンプラ。つまり作るバンプラは……実は同じもの、レッドコメット専用機が二体。ピンク系の機体であることは言うまでもなく、入手方法も同じと言った。
ということは、ラーメン店・
誰なのか? 未来さんと関わりある人物であることは間違いないけれど……御想像にお任せになりそうなの。ともあれ同じものだけに、勝負はハッキリしてしまうの。
だからこそ入念に。
何がそこまで梨花を駆り立てるのか? きっと同じお部屋で一緒に作業している
――レッドコメットはね、僕がパパを想う大切な気持ちなんだ。
そう熱く語った意味について。それは……パパもまた、レッドコメットを推していた一人だった。そこには梨花との大切な思い出が、予想を上回るほどに溢れていた。
梨花が小学三年生の頃だ。一学期を終えて転校した。……でも梨花は、夏休みにお友達と遊ぶことを楽しみにしていたのに、突然のお別れで、泣いちゃったの。パパが懸命に宥めようとしたけど、梨花は怒っちゃって……そこでバンプラを購入して、作り始めた梨花の前で。すると梨花の顔も笑顔になって、一緒に作ったの、レッドコメットの専用機を。
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