第七五〇回 すると、日曜の午後二時に現る。


 ――可変戦闘機。奴だ、奴が来たのだ、と太郎たろう君は逸る……というよりも燥いでいる。



 そうなの。画面狭しと、時間もピッタリに乱入してきた。僕らの目の当たり、PS4・5でのプレー中に。その可変戦闘機の名は『ノコギリ―』……颯爽たるミサイル攻撃も挨拶代わりに。その攻撃を僕は避ける。正確には僕のアバターが。超が付くほど高速回転する魔法のスティックで。ノコギリ―は「ギコギコ」と、擬音を奏でながら飛んでゆくの。


 設定通りなら……


 やはり可変した。三段階の可変。戦闘機から戦闘機とロボットの中間。そこからロボットになる。ややスマートなロボット……って、そう、某アニメの通りだから、その操縦者は余程そのアニメが好きと思える。しかも当時の放送時間に合わせての乱入だから……


 と、そのような解説を、太郎君はしてくれたの。


 ロボットの名は『ノッコロイド』で、中間形態が『ノコウォーク』らしい。しかも、しかもだよ、その操縦者は面識のある子。それ以前に、その相方をみれば一目瞭然。薙刀を使う女の子は、どう見てもりんだから……そのパートナーは、北條ほうじょうひかる君。よく考えたら、名は体を表すというけど、彼の場合は、パイロットを目指すという部分も、某アニメの主人公とソックリ……いやいや一文字違いなだけだから、きっと偶然な一致。



 ともあれ、この度この二人が参戦するウメチカ戦。


 その手始めに今がある。模擬試験的な位置付けの、予選みたいなもの。でもでも楽しむことが優先だから、せめて練習試合な位置付けへと。お手柔らかにとコメントも添えて。


 太郎君も銀と赤の巨人『ウルトラタロ』を動かし……このGWの締め括りを飾る、白熱した試合を展開した。このGWの向こうにある激戦激闘、暑い夏を占う試合。やはり僕と太郎君の必殺技は回転にあると思われる。回れば最強と、そのような方程式が存在……


 しないとは思うけれど、


 GWの締め括りは、この夏の激戦へと繋がってゆくのだと、そう思えるの。



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