第七四八回 そして、週末は二人きりな時間。
――まるで祭りの後の静けさにも似たような、そんなソフトな土曜日と日曜日。
僕はジョギングも兼ねて、珍しくも駅の方角。
表札は、もう変わったけれども、鯉のぼりは去年と同じ。僕はウォーリー君を探せのような白いTシャツと紺の短パン……シューズは、この間パパが買ってくれた黄色。
『
『
まあ、それはさておき、
梨花は言ったの。「初めて会った時よりも、ずっと明るくなったね、千佳」と、今朝起きしなに、息もかかるほどの近距離で、僕の顔を見ながら。見れば見るほど……
まるで鏡のように、僕にソックリ。まあ、見慣れた顔だけれど、改めて不思議な出会いだったと、そう思えたの。……だから、守りたい。このままずっと、これからも。
そして表札。
そのお家は変わらないままだけれど、その家族は二人から三人になったという。親子三人……御両親が一緒。それが何よりも、子供にとっては安心できる環境と思える。
すると、ドアが開いた。玄関のドア。聳える鯉のぼりの、そのお家。
「来たよ」と、僕は和やかに。
「よお、上がれよ。早速やろうぜ」と、
「うん」と返事をし、招かれ上がる玄関から、お家の中へと。表札は、
「やあ、来てくれたんだね、千佳ちゃん」
「お邪魔致します」との御挨拶から始まった。今日という一日が……
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