第七三四回 三十四回目は何々? マッドな夢。
――夢だけに今宵。マッドという言葉には、夢中になる……という意味もあるの。
僕はきっと、今綴りゆく、この物語に夢中。
その思いを込めたエッセイは、
……僕が、
「えへへ……」「どうしたの、
今宵は同じお部屋の同じベッドの中、僕と梨花は一緒に寝ていた。初夏の扉が開いた五月の温かな中だけれど、この温もりは別もの。心地よい温もりなの。
「変な千佳……」
「変でもいいの。明日は梨花……お姉ちゃんも一緒に家族旅行。ずっと一緒……」
「初めてじゃないでしょ? 去年のお盆だって」
「今度のは特別なの。僕が梨花の妹となって、いわば初めての里帰りなんだから」
そうなの。行く先は此処に来る前の、お祖母ちゃんがいた場所。そここそが昔、お母さんとお祖母ちゃんが暮らしていた場所。
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