第七三〇回 忘れ得ぬ、SとMが揃う初夏の扉。
――それは仮面を外した時、お互いの。その素顔に、そっと風が当たってくる。
靡く髪は、より魅力を引き立てる。ライダースーツのまま素顔を見せる、先程までは仮面タイガーMを扮していた
「瑞希、動きの切れが鈍ったな」「
と、もう二人だけの世界を満喫しつつ、絶えない会話で。
初めてお目にかかる瑞希先生のお友達。聡子さんというお名前……とても背高。
それにしても、聡子さんだからSで、
瑞希先生だからM……ということは、もしかするとSM。SとMの関係ってことで……
「そんなわけないだろ」
と、二人揃ってハモる台詞。息もピッタリ名コンビ……って、その時だ、僕は衝撃を感じたの、脳内で。ある種の記憶が蘇ったの。とある噂。何処で、誰から? 思い出せない5W……タイガー&ドラゴンという通り名、学園の七不思議の一つで、興味津々なの。
「じゃあ、自由研究の課題だな、嬢ちゃん」
「へっ?」と、いつの間にか、僕の目の当たりに、その聡子さんの顔……
「君は、瑞希の生徒か?」
「はい」「そうか。じゃあ間違いなしだ。君は思い切りエンジョイだな、高等部生活」
と、唐突に。でも不思議な感覚……
初対面なのに、とても馴染める……何だろう、この感覚?
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