第七二七回 さあ! レッツ・テーマパークへ。


 ――兎にも角にも満喫なの、このGW。五月明日に迫る今この時、大いにエンジョイ。



 夜が明ける前の、しんみりした雨の調べは泡にまみれながらも、心のほんの片隅へと。


 漠然とした翳り、それをも帳消しにする君と二人のこの時、この場所で……


「ウフフ……」と、身を寄せる。そして回る回るメリーゴーランド。食すソフトクリームの冷たさをキッカケとし、ウキウキ感で弾む心のリズム。心に小宇宙を感じて。


「じゃあ、お待ちかねのジェットコースターだ、千佳ちか


「うん。太郎たろう君は大丈夫なの? そういうの……」と、今更も今更だけど……すると、デコピンを受ける。「痛~あ」「心配ご無用だ、お姫様」「じゃじゃ馬な白馬の王子様だ」

 との会話も弾む。そこから風と一体となるコースターに搭乗。


 モノレールもこんな感じなら、いとをかし……非常にも感動、そして可笑しくも二重の意味を忍ばせながら。想像さえもエンジョイしているの。想像はライダー。可奈かなのお父さんが演じていた『旧一号』みたいな感じの。このワンシーンを脳内で編集した。


 瞬間のこと……


 でも余韻は続いてゆく。想い出という形に変換されて。


 脳内を流れるBGMも、ベストマッチを遂げながら、僕らの歴史を飾るのだ。僕らが子供を育む頃、それはかけがえのない想い出となっているのだから。今は愛を育んでいる。


 恋は愛へと……


 それはね、大切な過程へと家庭を築くの。降りる地上、そこで堪らずマスクさえも外してキスに至る……周りは見えず恋は盲目で、もう二人だけの世界で、君がいたら何処でも楽しいと確信。ゆったりした観覧車に身を置いたとしても。誰にも、誰にも触れない二人だけの国。……だったのだけれど、あれれ? 観覧車の時を終えるとだね……


りん、それに北條ほうじょう君も」それからそれから「梨花りか公太こうた君。可奈に一文橋いちもんばしさんまで」


 な、何と、皆この場にいるの。全員集合だよ、これ。すると凛が言うの、代表制?


「偶然は必定を超えるんだよ、千佳。考えることは皆同じってことで」とか言うの。



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